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創発科学研究科 博士後期課程
創発科学専攻 (先端工学デザインプログラム)
2024年度 入学
どんなお仕事をされていますか。これまでの経験も踏まえて教えていただけますか。
私は1995年に早稲田大学の職員として就職し、約30年間、情報系の仕事をしてきました。学内のあらゆるシステムの開発や運用保守を担当し、ポータルシステム、ラーニングマネジメントシステム、教務システムのほか、直近では研究支援や財務システムの導入等にも携わっており、大学全体のシステムの開発や運用保守を通して、俯瞰して全体を見させていただいていました。
2019年頃からは、学内のデジタルトランスフォーメーションを担当し、現在は早稲田大学のグループ会社である早稲田大学アカデミックソリューションの代表を務めております。
進学のきっかけ、タイミングについて教えていただけますでしょうか。
大学DX勉強会の内々の集まりで、早稲田の事例をお話する機会があり、そこで、八重樫先生にお会いしたのがきっかけです。お話する中で、私がそれまで取り組んできた大学の業務システムの開発や運用・保守を研究として実践され、DXを進めていらっしゃることを知りました。「大学院に行きたいのですが」、とお話をしたところ、「ぜひどうぞ」、とウェルカムで受け入れていただきました。大学院に入ろうと思った一番の理由は、香川大学でDXをすすめている皆さんがすごく楽しそうだったことです。「楽しそうに仕事をしながら、研究もやっている。こういうところで自分も学びたい」と思い、進学を決めました。
大学院で研究している内容やテーマをお聞かせください。
非常に実務的な内容を研究テーマにしています。香川大学では、ローコード・ノーコードツールを使って、学内業務システムを内製開発していますが、ツールが不安定で、異常終了することがあるため、「KadaMonitor/カダモニタ」(KadaMonitor<運用監視システム> | 可視化システム | システム紹介 | 香川大学DXラボ)という運用監視システムを作りました。
DXラボの先輩方から受け継いだシステムを整備して、それを実際に研究として運用データに基づき検証をおこないました。ローコード・ノーコードツールで開発したシステムは、品質が完璧な状態でリリースするのではなく、ある程度のレベルで稼働することが確認できたら稼働させ、問題を検知しながら運用保守の中で改善していくことで、数か月後には稼働率が99%以上になる。こういったことが検証できたので、それを論文化し、採録していただきました。
また、出張申請から、承認、出張、精算、報告までのプロセス全体を可視化する「出張処理業務モニタリングシステム」を開発し、出張処理業務全体の品質向上に取り組んでいます。こちらも論文化し、現在査読していただいている最中です。
さらに、AIエージェントの開発も進めています。これまでのシステムは、フォームを用意し、そのフォームに業務で必要とする情報を入力してもらうものだったと思います。しかし、実際には、フォームに入力する情報を集める部分が一番面倒ではなかったでしょうか?そこで、AIエージェントを利用することで、「システムに入力するために必要な情報を探す」部分を支援する部分を担わせることで、入力者の負担軽減によるエンゲージメントを向上させるようなAIエージェントの開発も進めています。

東京でのお仕事と香川での学業を、どのように両立させていますか。
非常に心配でしたが、博士後期課程ということもあり、授業は1年目に1科目だけです。研究指導に関しては、毎日のように、Teamsのチャットを使ってやり取りさせていただいており、本当に距離を感じていません。ゼミや論文指導も含め、基本的にはオンラインで研究指導を受けています。香川大学はキャンパスが分かれていることもあり、ほかの学生もゼミにはオンライン参加ということがよくあります。
また、オンラインで実施したものは全て録画されていて、私もゼミに出席できなかった日は、後からそれを拝見し、コメントさせていただいています。なお、私は年間10回ほど、大学キャンパス(幸町)に伺っています。
若い学生と学び感じることや、社会人経験を経て学ぶことの意義についてお聞かせください。
すごく楽しいです。学生さんたちはフレッシュな感覚でいろいろなことに疑問を持っていて、彼らのリサーチ内容に驚かされることも多々あり、私の研究の刺激にもなっています。私はこれまでの経験値から、彼らの気づきや疑問に対して背景情報も含めてフィードバックできるし、逆に彼らの視点から新たな気づきを得ることもあります。非常にいい相乗効果が生まれていると感じています。
今後の予定や計画についてお聞かせください。
自分たちが今まで取り組んできたことを研究として社会還元できるということが非常に重要だと思っています。私たちの会社は、大学の情報系に限らず、さまざまな教育研究を支援していますので、研究で得た知見を、広く他大学にも展開していきたいと考えています。日々の研究成果を社会に還元していくことを心がけており、少しずつ実現できていると感じています。今後は、そういったことをもっと展開できるように、もう一歩前進していけるよう、考えていきたいと思います。
